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こんな設計は計算が大変!できれば避けたい設計10のポイント


省エネ基準をみたす家を建築する場合、できるだけ計算は簡単に済ませたいですよね。
そこで、計算が大変になる設計のポイントをご紹介します。

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1.断熱仕様が複数ある
外皮性能の計算には計算ツールを使うことができます。しかし、同じ部位でも断熱仕様が異なる場合にはそれぞれ計算しなければならないため、計算の手間が増えてしまいます。具体的には、各部位のうち断熱仕様が同じ部分について、それぞれ外皮面積、熱貫流率を求めなければならないのです。計算を簡易にするためにも、できるだけ一つの部位にはひとつの断熱仕様を用いるようにしましょう。そのようにすることによって施工側のミスも防げることになり、なるべく屋根の断熱なら1つの断熱仕様、壁の断熱なら1つの断熱仕様となるようにした方が望ましいです。

2.床暖房の使用
実は床暖房を設置すると計算が面倒になるのです。床暖房を使用した場合、計算プログラムの入力に際して、熱源機の入力や上面放射熱率の入力が必要になるためです。これにより、事前に集めておくデータ量が増え、かつ入力に手間がかかってしまいます。また、床暖房をつけると一次エネルギー消費量が増えるというデメリットもあります。 さらに、暖房設備として床暖房とエアコンの両方が存在する場合、計算上ではよりエネルギー消費量が大きい設備器具の数値とする事になっています。ですので、床暖房の器具のエネルギーを暖房設備のエネルギーとして計算する事になりますが、床暖房は床面積などから決まる1次エネルギー基準値の約3倍近くのエネルギー量を消費してしまいます。
これは床、壁、天井、窓などの外皮性能ではカバーしきれない数値となってしまいますので、等級4を取得する建物の暖房設備としてはお勧めできません。

3.曲線やななめの作り
建築物が曲線や斜めの作りをしている場合、外皮計算や床延べ面積の計算が非常に面倒になります。計算ツールはこのような形状の建築に対応していないため、すべて手計算となってしまうからです。また、開口部が複雑な形状をしている場合にも同じ問題が生じます。デザインにこだわるかは別として、面積計算のしやすさを考えるのであれば、傾斜した壁や円弧形状になった壁・床・天井・屋根の設計を避け、ツールによる計算が可能な立方体を基調とした形に設計しましょう。チェックする役所も面積の根拠となる計算資料を要求しますので、曲線をつかった形状や形が整っていない形状となる場合、計算するのにどうしても時間がかかってしまいます。

4.室用途が多数ある
非住宅建築物の一次エネルギー消費量の計算にあたっては、室用途ごとに設備が計算対象になるかどうかが変わってきます。そのため、室用途が多数あると対象設備の検討が複雑になるのです。正確な一次エネルギー消費量を算定し、かつ計算を楽にするためには、室用途を最小限に絞った方が良いでしょう。

5.付属設備の数が多い
省エネ法のもとで計算が必要になる設備として、空調、換気、給湯、昇降機などが挙げられます。これらの設備はほとんどの建物についているものですが、設置する際には数を最低限に抑えましょう。それぞれ計算項目が多いため、設置台数が増えると計算量も膨大になるためです。例えば空調機の一時消費エネルギーの計算をする場合には、定格冷却能力、給気送風機定格風量、送風機定格消費電力などの情報を使って計算を行います。エアコンのように複数台設置する場合には、同じ種類の機器を取り付けることをおすすめします。

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6. 多灯分散方式
多灯分散方式で異なる照明をつけるリビングなどの広い生活空間では、多灯分散方式が省エネにつながるとされています。この場合には照明の種類、大きさをそろえた方が、計算が簡単になります。照明の種別ごとに消費電力や灯数を計算するからです。なお、照明制御の手法については室で一括して計算しますので、異なっていても問題ありません。
ただ、多灯分散方式とそうではない天井シーリングライト1灯のような1室1灯方式の省エネ効果を数値で比べた場合、多灯分散方式としても、期待するほどの省エネ効果は得られないのが現状です。

7. 断熱性能に関しての記述が仕上げ表に記載する
断熱性能に関しての記述が仕上げ表に記載がないと、矩計図を見る→平面詳細図を見る→階段詳細図を見る→部分詳細図を見る・・・などと、どこかに書いてあるのではないかと色々図面を確認することになってしまいます。そういった情報検索に時間がかかってしまうケースがありますので、断熱性能に関しては仕上げ表に記載があると計算作業がスピーディーに行えます。チェックする役所の方もまずは仕上げ表を見ますので、断熱仕様に関しては仕上げ表に記載する事をお勧めします。

8.同じ内容の記載を色々な図面に記載しない
よくあるのですが、同じ内容をコピーして色々と図面に記載してありますが、この場合、図面を書く方も見る方もチェックする方も実は大変です。一見すると同じ内容に見えてしまうので、「違う内容で記載がされているんじゃないか・・・・」と図面をチェックすることになります。違う内容の時は記載して、同じ内容であれば「左記と同じ」「外部建具は全て○○」など、なるべく図面の記載内容を省略してもらって構いません。
情報量が少なければ少ない程計算作業や役所のチェック作業は早くなりますので、お勧めです。

9.断熱材の表記が間違っていたり短縮されていたりする
断熱材の表記についてはJIS規格で名称が定められております。例えば、A種硬質ウレタンフォーム保温板1種のところをウレタンフォーム1種1号と表記してあったりするとA種なのかB種なのかわからなくなってしまいます。詳細図では短縮してウレタンフォームt=30などでも構いませんが、仕上げ表に記載する内容は正確に記載する事をお勧めいたします。
※使用する商品名で記載してあれば、商品のメーカーから情報が取り出せるので、商品名での記載であってもかまいません。

10.給湯器に関して。
給湯器の省エネルギー効果とういうのは数値で見ると、共同住宅の場合、照明器具の4倍~6倍くらいのエネルギーを消費している器具となります。これは暖房器具と冷房器具を併せたエネルギーよりも大きい数値となります。そのため、給湯器具を選ぶ際にはなるべくエネルギーの少ない器具を選びたいものです。
住戸の1次エネルギーを算出する際は、「JIS効率」という数値が重要となってきます。
仕上げ表で指定する器具の品番が、現在は廃番になっている物であったり、昔の器具の品番であれば、省エネルギー性能はあまりなく、JIS効率が低い物での入力となってしまいます。その給湯器のエネルギーロス分を外皮で何とかしようとする作業に時間がかかってしまう事もあります。
もし、住戸の給湯器具の品番が決まっていないようであれば、一般的な数値での入力を致しますので、未記入のままでかまいません。


デザインやコストの観点から、やむを得ず計算が複雑になる場合もあります。しかし、設計の段階で少し気をつけるだけで、計算の大変さは軽減されます。省エネ住宅を設計する場合には、ぜひ参考にしてみてください。



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