建築物の省エネルギー対策は、エネルギーの使用の合理化に関する法律(以下「省エネ法」という。)第5章「建築物に係る措置等」の規定に基づいて行われています。
省エネ法第75条及び第75条の2の規定に基づき一定規模以上の建築物の新築、増改築の際に省エネルギーの措置(以下「省エネ措置」という。)の届出が義務付けられています。
また、届出を行った建築物については、定期的に維持保全の状況の報告(以下「定期報告」という。)も必要です。
ただし、住宅事業建築主(住宅を建築し販売する住宅供給事業者)が第一種特定建築物及び第二種特定建築物である特定住宅(一戸建ての住宅)を新築する場合は、届出不要です。
届出が必要な省エネ措置は、建築物の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止のための措置及び建築物に設ける空気調和設備等に係るエネルギーの効率的利用のための措置(空気調和設備、空気調和設備以外の機械換気設備、照明設備、給湯設備及び昇降機が対象)です。
対象の建築物は、建築物の用途ごとに定められている省エネルギーのための判断基準に適合することが必要です。
床面積の合計が300m2以上の建築物が対象です。
・第一種特定建築物 ・・・床面積の合計が2000m2以上の建築物
・第二種特定建築物 ・・・それ以外の建築物(床面積の合計が
300m2以上2000m2未満)
床面積の合計が300m2以上の建築物が対象です。
・建築物の躯体等の断熱措置
・建築物に設ける空気調和設備等に対するエネルギーの効率的利用の
ための措置
届出を行った場合には、その後3年ごとに維持保全の状況を所管行政庁に報告する必要があります。
第二種特定建築物(300㎡以上2,000㎡未満)にあってはエネルギーの効率的利用のための措置に係るものに限り、また、住宅である場合は対象外となり報告を要しません。
定期報告に記載する建築物の維持保全の状況等は、「省エネルギー措置の変更の有無」と「省エネルギー性能の維持の保全の状況」となります。
定期報告の内容が著しく不十分な場合は、所管行政庁から勧告を受けることがあります。
新築住宅・建築物の最低限の省エネ性能を確保するため、2020年に向けて大規模な建築物から段階的に省エネルギー基準への適合を義務化することが示されました。
第一種特定建築物 | 第二種特定建築物 | ||||
規模(延べ面積) | 2,000㎡以上 | 300㎡以上2,000㎡未満 | |||
省エネ措置の届出の対象となる行為 | 新築・一定規模以上の増改築 | 新築・一定規模以上の増改築 | |||
外気に接する屋根、壁(窓を含む)又は床の一定規模以上の修繕又は模様替え | - | ||||
空気調和設備等の設備又は一定の改修 | - | ||||
届出内容 | 新築、増築、改築 | 建築物の外壁・窓等の断熱化、空気調和設備等の効率的な利用の為の措置 | 新築、増築、改築 | 建築物の外壁・窓等の断熱化、空気調和設備等の効率的な利用の為の措置 | |
修繕または模様替 | 建築物の外壁・窓等の断熱化の措置 | - | |||
空調設備等の設置又は一定の改修 | 空気調和設備等の効率的な利用のための措置 | - | |||
届出対象 | 新築 | 床面積が2000m2以上 | 建物全体 | 床面積が300m2以上2000m2未満 | 建物全体 |
増築 | 増築部分が2000m2以上 | 増築部分、改築部分のみ | 増築部分が300m2以上かつ増築面積が全体の1/2以上 | 増築部分、改築部分のみ | |
改築 | 改築部分が2000m2以上または改築面積が全体の1/2以上 | 増築部分、改築部分のみ | 改築部分が300m2以上かつ改築面積が全体の1/2以上 | 増築部分、改築部分のみ | |
修繕・模様替 | 改修を行う屋根・床・壁の面積の合計が2000㎡以上、または改修を行う屋根・床・壁※の面積がそれぞれの部位全体の1/2以上 | 工事対象の部位 | - | ||
設備機器の設置・改修 | 工事対象の設備 | - | |||
届出義務違反 | 50万円以下の罰金 | ||||
届出先 | 所管行政庁 | ||||
届出期限 | 工事着工の21日前 | ||||
届出義務違反 | 50万円以下の罰金 | ||||
届出に係る省エネ措置が判断基準に照らして著しく不十分であるときの措置 | 指示 | 勧告 | |||
指示に従わなかった場合 | 公表 | - | |||
正当な理由なく、指示に係る措置をとらなかった場合 | 命令 | - | |||
命令に従わなかった場合 | 100万円以下の罰金 | - | |||
定期報告 | 対象者 | 省エネ措置届出者。建築主等または建築物を譲渡したときは譲り受けた者(届出者や譲り受けた者と建築物管理者とが異なる場合は管理者) | |||
対象建築物 | 非住宅・住宅 | 非住宅 | |||
報告内容 | 届出事項に係る維持保全の状況 | 届出事項に係る維持保全の状況 (空気調和設備等の省エネ措置に限る) |
|||
報告義務違反 | 50万円以下の罰金 | ||||
報告事項が著しく不十分であるときの措置 | 勧告 |
※修繕・模様替を行う壁の面積が壁全体(道路に接していない敷地境界線から水平距離が1.5m以下の部分を除く)にある壁の面積の1/2以上
対象 | 外皮 | 一次エネ |
---|---|---|
住宅 | 平均UA値等基準 | 一次エネルギー消費量計算 |
部位別仕様表(設計施工指針本則 別表1~7) | 設備仕様基準(設計施工指針附則) | |
外皮仕様基準(設計施工指針附則) | ||
非住宅 | PAL* | 一次エネルギー消費量 【標準入力法(通常の計算法)】 |
モデル建物法(PAL*)[5,000m2以下] | 一次エネルギー消費量【主要室入力法(通常の計算法)】 | |
モデル建物法(一次エネルギー消費量)[5,000m2以下] |
『プラン/外皮・開口部の構造/面積』『住棟内での配置による外皮の熱的性能』『住設機器の仕様』が共通するタイプに分類できる場合にはタイプ別に計算をすればよい。
共同住宅が全て同じ向きをしていたとしても、上記の⑨タイプの住戸はそれぞれ計算が必要です。面積が異なる住戸があれば、その住戸は別に計算します。
また、面積が同じでも間取りなどによって、開口部の面積や仕様が異なれば別に計算を行う必要があります。
複合建築物は、住宅部分は住宅の基準、非住宅部分は非住宅建築物の基準を用いて外皮性能や設備性能を判断することが定められています。
床面積が5,000㎡以下の非住宅建築物の場合は簡易評価法であるモデル建物法を用いて計算することができますが、複合建築物の場合も同様に非住宅部分の床面積の合計が5,000㎡以下の場合は、モデル建物法を適用できます。(但し、条件によっては使用できない場合もあります。)
非住宅部分の床面積の合計が300㎡未満の場合、300㎡未満の非住宅部分も含めた複合建築物全体を住宅とみなして届出します。
外皮基準に関する非住宅部分の計算は、住宅の基準と日住宅の基準のいずれを用いてもよいとされています。
但し、一次エネルギー消費量の計算は非住宅基準を用いなければなりません。
なお、3年毎の定期報告は第二種特定建築物に相当するため、必要はありません。
あ |
一次エネルギー消費量(MJ/年) |
暖房設備、冷房設備、機械換気設備、照明設備、給湯設備(太陽熱利用給湯設備、コージェネレーション設備を含む)、その他のエネルギー消費量(MJ/年)と、エネルギー利用効率化設備(太陽光発電)による削減量(MJ/年)をそれぞれ計算し、それらを合計して算出したもの。 |
---|---|---|
温度差係数 |
部位が接する外気の区分によって係数が決まります。 参考図1 |
|
か | 外皮 | 熱的境界を構成する部位であり、外壁(界壁を含む)、天井、屋根、床(上階側界床及び下階側界床を含む)、開口部、基礎等及び土間床の総称のこと。 |
外皮平均熱貫流率(UA値) |
外皮平均熱貫流率は、従来の熱損失係数(Q値)に変わる指標。住宅の内部から外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値をいい、具体的には、壁、床、天井及び開口部などからの熱損失の合計を外皮表面積でわった値。 単位:[W/㎡k] |
|
夏期日射取得係数 | 建物1㎡当たりに侵入する日射量を表したもの。日射の入りやすさを示す。小さいほど夏期における冷房負荷を減らすことができる。 | |
基準値 |
断熱性能に関しては「外皮平均熱貫流率(U A )の基準」、日射遮蔽・取得性能に関しては「冷房期の平均日射熱取得率(η A )の基準」として、地域区分ごとに基準値が示されている。なお、新たな基準における外皮の要求水準は、居住空間内の適正な温度環境の確保、ヒートショックの防止、表面結露・カビ発生による内装材汚損や室内空気汚染防止等の観点、及び H11 年省エネ基準の普及状況を鑑みて、H11 年基準レベルとなっている。 参考図2 |
|
基準一次エネルギー消費量 | 平成 11 年基準相当の外皮性能、設置する暖冷房設備に応じた運転方法、平成 24 年時点において各地域で一般的な種類・性能の設備機器に基づき算定された一次エネルギー消費量のこと。 | |
空調ゾーン | 同一の空調機群により冷温熱が供給される連続した空間。 | |
コージェネレーション設備 | ガスエンジン又は燃料電池により発電し住戸内に電気を供給する設備であり、同時に発電時の排熱は給湯等に利用される。温水暖房を設置している場合には、発電時の排熱が暖房に利用される場合もある。 | |
さ | 仕様基準 | 各部位に規定された性能または仕様に基き評価するもの |
主たる居室 | 当該住戸又は当該住戸の部分における熱的境界の内側に存する居室のうち、基本生活行為において、就寝を除き日常生活上在室時間が長い居室のことであり、居間(リビング)、食堂(ダイニング)及び台所(キッチン)をいう。 | |
その他の居室 | 当該住戸又は当該住戸の部分における熱的境界の内側に存する居室のうち、主たる居室以外の居室のことであり、寝室、子ども室、和室等をいう。 | |
性能基準 | 各部位の熱損失、日射熱取得率を計算により求めて評価するもの | |
設計一次エネルギー消費量 | 実際の外皮性能、設置する設備機器の種類・仕様、各種省エネルギー対策および再生可能エネルギーの利用状況等に基づき計算した一次エネルギー消費量のこと | |
線熱貫流率 | 土間床外周部及び基礎等、又は熱橋部において、内外の温度差1度の場合の1メートル当たりに貫流する単位時間当たりの熱量のこと。 | |
た | 第一種特定建築物 | 床面積の合計が2000m2以上の建築物 |
第二種特定建築物 | 床面積の合計が300m2以上2000m2未満の建築物 | |
太陽光発電設備 | 光起電力効果によって太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し、負荷に適した電力を供給するために構成した装置及びこれらに付属する装置の総体のこと | |
地域区分 | 市町村単位で暖房度日を推定して地域を区分したもの。指標となる一次エネルギー消費量を求める際に、気象条件に見合ったエネルギー性能を適切に評価するために、全国を8つの地域に区分しています。 | |
等級3 (省エネルギー対策等級) |
住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)における住宅性能表示制度には10の性能表示事項があり、このうちの一つである温熱環境の評価項目が「省エネルギー対策等級」です。省エネ法は、昭和55年に制定されたのち、平成4年及び平成11年に改正が行われており、等級3は、1992年(平成4年)に制定された基準(通称、H4年基準)を適用してます。 | |
等級4 (省エネルギー対策等級) |
住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)における住宅性能表示制度には10の性能表示事項があり、このうちの一つである温熱環境の評価項目が「省エネルギー対策等級」です。省エネ法は、昭和55年に制定されたのち、平成4年及び平成11年に改正が行われており、等級4は、1999年(平成11年)に制定された基準(通称、H11年基準)を適用している。 参考図3 |
|
な | 熱貫流率(U値) | 内外の温度差1度の場合において1平方メートル当たり貫流する熱量をワットで表した数値であって、当該部位を熱の貫流する方向に構成している材料の種類及び厚さ、熱橋により貫流する熱量等を勘案して算出するものとする。数値が小さいほど熱を伝えにくいことになり、断熱性能が高い部材。 |
熱損失係数(Q値) |
建物内部と外気の温度差を1℃としたときに、建物内部から屋外に逃げる熱量を1時間あたり、床面積1㎡あたりで表したもの。 単位:[W/㎡K] |
|
熱抵抗値(R値) |
部位の熱の伝わりにくさを表す指標。構成している断熱材の厚さ÷断熱材の熱伝導率で求めた数値。 単位:[㎡K/W] |
|
熱橋 | 熱的境界を構成する各部位において、構造部材、下地材その他断熱構造を貫通する部分であって、断熱性能が周囲の部分より著しく劣るものをいう。 | |
熱伝導率 | 内外の温度差1度の場合において1平方メートルあたりに材料内を熱伝導により移動する熱量をワットで表した数値を言う。 | |
日射取得係数 | 「建物による遮蔽がないと仮定した場合に取得できる日射量」に対する「実際に建物内部で取得される日射量」の割合の暖房期又は冷房期の期間平均値。 | |
日射侵入率 | 日射がどれだけ室内に入ってくるかを示す割合で、日射遮蔽の性能を表す。 | |
は | 非居室 | 住戸の部分における熱的境界の内側に存する居室以外の空間であり、浴室、トイレ、洗面所、廊下、玄関、クローゼット、納戸等をいう。 |
ペリメーターゾーン |
外壁、窓等を通して外界の気象条件の影響を受ける建築物の内部空間のこと。屋内周囲空間。ペリメータゾーンは、省エネルギー法において以下と定義。 ①地階を除く各階の外壁の中心線から水平距離が5m以内の屋内空間 ②屋根直下の階の屋内空間 ③外気に接する床の直上の空間 |
|
ま | モデル建物法 |
旧基準で規定されていた「ポイント法」及び「簡易なポイント法」に替わる、小規模比住宅建築物を対象とした簡易な評価法。建物の外皮及び設備の仕様を選択肢から選択することにより、外皮性能及び一次エネルギー消費量が基準に適合しているかを簡易に判断する仕組み。但し、モデル建物法を使用し計算できるためには条件に該当する必要がある。 モデル建物法の適用範囲 モデル建物法による評価が行えるのは、延床面積が 5000㎡以下の非住宅建築物のみとされている。複合建築物(住宅と非住宅建築物が混在する建物)で、非住宅部分の延床面積が 5000㎡ 以下であれば、非住宅部分についてはモデル建物法が適用できる。なお、空気調和設備において、次の熱源機器をもつシステムについてはモデル建物法では評価が行えない。 ・セントラル方式 ・氷蓄熱パッケージエアコン(ビル用マルチ方式を含む) ・地域冷暖房施設から熱供給を受けている場合 ・上記方式と他の方式の併用 |
モデル建物 | モデル建物法において、建物用途ごとに想定した建物のこと。 | |
ら | 冷房期の平均日射熱取得率(ηA値) |
冷房期の平均日射熱取得率は、従来の日射取得係数(μ値)に変わる指標です。入射する日射量に対する室内に侵入する日射熱の割合を外皮全体で平均した値をいい、具体的には、屋根又は天井、外壁、ドアなどの躯体から侵入する日射量と窓ガラスから侵入する日射熱の合計である総日射熱取得量を外皮面積でわったもの。 単位:[W/㎡k] |
隣接空間 | 小屋裏、天井裏、床裏、共用部、屋内駐車場、メーターボックス、エレベーターシャフト等の外気に通じる空間、ピット等の床裏、昇降機室、共用機械室、倉庫等の外気に通じていない空間、住戸及び空調された共用部等の住戸と同様の熱的環境の空間、又は外気をいう。 | |
英 | BPI |
Building Permeter Index(Building PAL* Index) BPI=設計 PAL*/基準 PAL* |
BPIm | モデル建物法による設計PAL*と基準PAL*の比。1.0以下であれば基準適合となる。 | |
BEI |
Building Energy Index BEI=設計一次エネルギー消費量/基準一次エネルギー消費量 |
|
BEIm | モデル建物法による設計一次エネルギー消費量と基準一次エネルギー消費量の比。1.0以下であれば基準適合となる。 | |
PAL*(パルスター) |
新年間熱負荷係数。各階の屋内周囲空間(ペリメーターゾーン)の年間熱負荷[MJ/年]をペリメーターゾーンの床面積[㎡]の合計でわった数値。 単位:[MJ/㎡年] |
|
PAL | 建築物の外壁、窓などからの熱損失の防止性能を評価するもの。屋内周囲空間の年間熱負荷を屋内周囲空間の床面積の合計でわった数値。 | |
CEC |
建築物に設ける建築設備に係るエネルギーの効率的利用性能を評価するもの。建物の省エネ基準(性能基準)は以下に示す5つの建築設備毎に基準が定められている。 ・空気調和設備 [CEC/AC] CEC/AC=年間空調消費エネルギー量/年間仮想空調負荷 ・機械換気設備 [CEC/V] CEC/V =年間換気消費エネルギー量/年間仮想換気消費エネルギー量 ・照明設備 [CEC/L] CEC/L=年間照明消費エネルギー量/年間仮想照明消費エネルギー量 ・給湯設備 [CEC/HW] CEC/HW=年間給湯消費エネルギー量/年間仮想給湯負荷 ・昇降機 [CEC/EV] CEC/EV =年間エレベーター消費エネルギー量/年間仮想エレベーター消費エネル ギー量 |
あ | |
---|---|
一次エネルギー消費量(MJ/年) いちじエネルギーしょうひりょう |
暖房設備、冷房設備、機械換気設備、照明設備、給湯設備(太陽熱利用給湯設備、コージェネレーション設備を含む)、その他のエネルギー消費量(MJ/年)と、エネルギー利用効率化設備(太陽光発電)による削減量(MJ/年)をそれぞれ計算し、それらを合計して算出したもの。 |
温度差係数 | 部位が接する外気の区分によって係数が決まります。 |
か | |
外皮 | 熱的境界を構成する部位であり、外壁(界壁を含む)、天井、屋根、床(上階側界床及び下階側界床を含む)、開口部、基礎等及び土間床の総称のこと。 |
外皮平均熱貫流率(UA値) |
外皮平均熱貫流率は、従来の熱損失係数(Q値)に変わる指標。住宅の内部から外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値をいい、具体的には、壁、床、天井及び開口部などからの熱損失の合計を外皮表面積でわった値。 単位:[W/㎡k] |
夏期日射取得係数 | 建物1㎡当たりに侵入する日射量を表したもの。日射の入りやすさを示す。小さいほど夏期における冷房負荷を減らすことができる。 |
基準値 | 断熱性能に関しては「外皮平均熱貫流率(U A )の基準」、日射遮蔽・取得性能に関しては「冷房期の平均日射熱取得率(η A )の基準」として、地域区分ごとに基準値が示されている。なお、新たな基準における外皮の要求水準は、居住空間内の適正な温度環境の確保、ヒートショックの防止、表面結露・カビ発生による内装材汚損や室内空気汚染防止等の観点、及び H11 年省エネ基準の普及状況を鑑みて、H11 年基準レベルとなっている。 |
基準一次エネルギー消費量 | 平成 11 年基準相当の外皮性能、設置する暖冷房設備に応じた運転方法、平成 24 年時点において各地域で一般的な種類・性能の設備機器に基づき算定された一次エネルギー消費量のこと。 |
空調ゾーン | 同一の空調機群により冷温熱が供給される連続した空間。 |
コージェネレーション設備 | ガスエンジン又は燃料電池により発電し住戸内に電気を供給する設備であり、同時に発電時の排熱は給湯等に利用される。温水暖房を設置している場合には、発電時の排熱が暖房に利用される場合もある。 |
さ | |
仕様基準 | 各部位に規定された性能または仕様に基き評価するもの |
主たる居室 | 当該住戸又は当該住戸の部分における熱的境界の内側に存する居室のうち、基本生活行為において、就寝を除き日常生活上在室時間が長い居室のことであり、居間(リビング)、食堂(ダイニング)及び台所(キッチン)をいう。 |
その他の居室 | 当該住戸又は当該住戸の部分における熱的境界の内側に存する居室のうち、主たる居室以外の居室のことであり、寝室、子ども室、和室等をいう。 |
性能基準 | 各部位の熱損失、日射熱取得率を計算により求めて評価するもの |
設計一次エネルギー消費量 | 実際の外皮性能、設置する設備機器の種類・仕様、各種省エネルギー対策および再生可能エネルギーの利用状況等に基づき計算した一次エネルギー消費量のこと |
線熱貫流率 | 土間床外周部及び基礎等、又は熱橋部において、内外の温度差1度の場合の1メートル当たりに貫流する単位時間当たりの熱量のこと。 |
た | |
第一種特定建築物 | 床面積の合計が2000m2以上の建築物光起電力効果によって太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し、負荷に適した電力を供給するために構成した装置及びこれらに付属する装置の総体のこと |
第二種特定建築物 | 床面積の合計が300m2以上2000m2未満の建築物 |
太陽光発電設備 | 光起電力効果によって太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し、負荷に適した電力を供給するために構成した装置及びこれらに付属する装置の総体のこと |
地域区分 | 市町村単位で暖房度日を推定して地域を区分したもの。指標となる一次エネルギー消費量を求める際に、気象条件に見合ったエネルギー性能を適切に評価するために、全国を8つの地域に区分しています。 |
等級3(省エネルギー対策等級) | 住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)における住宅性能表示制度には10の性能表示事項があり、このうちの一つである温熱環境の評価項目が「省エネルギー対策等級」です。省エネ法は、昭和55年に制定されたのち、平成4年及び平成11年に改正が行われており、等級3は、1992年(平成4年)に制定された基準(通称、H4年基準)を適用してます。 |
等級4(省エネルギー対策等級) |
住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)における住宅性能表示制度には10の性能表示事項があり、このうちの一つである温熱環境の評価項目が「省エネルギー対策等級」です。省エネ法は、昭和55年に制定されたのち、平成4年及び平成11年に改正が行われており、等級4は、1999年(平成11年)に制定された基準(通称、H11年基準)を適用している。 |
熱貫流率(U値) | 内外の温度差1度の場合において1平方メートル当たり貫流する熱量をワットで表した数値であって、当該部位を熱の貫流する方向に構成している材料の種類及び厚さ、熱橋により貫流する熱量等を勘案して算出するものとする。数値が小さいほど熱を伝えにくいことになり、断熱性能が高い部材。 |
な | |
熱損失係数(Q値) |
建物内部と外気の温度差を1℃としたときに、建物内部から屋外に逃げる熱量を1時間あたり、床面積1㎡あたりで表したもの。 単位:[W/㎡K] |
熱抵抗値(R値) |
部位の熱の伝わりにくさを表す指標。構成している断熱材の厚さ÷断熱材の熱伝導率で求めた数値。 単位:[㎡K/W] |
熱橋 | 熱的境界を構成する各部位において、構造部材、下地材その他断熱構造を貫通する部分であって、断熱性能が周囲の部分より著しく劣るものをいう。 |
熱伝導率 | 内外の温度差1度の場合において1平方メートルあたりに材料内を熱伝導により移動する熱量をワットで表した数値を言う。 |
日射取得係数 | 「建物による遮蔽がないと仮定した場合に取得できる日射量」に対する「実際に建物内部で取得される日射量」の割合の暖房期又は冷房期の期間平均値。 |
日射侵入率 | 日射がどれだけ室内に入ってくるかを示す割合で、日射遮蔽の性能を表す。 |
は | |
非居室 | 住戸の部分における熱的境界の内側に存する居室以外の空間であり、浴室、トイレ、洗面所、廊下、玄関、クローゼット、納戸等をいう。 |
ペリメーターゾーン |
外壁、窓等を通して外界の気象条件の影響を受ける建築物の内部空間のこと。屋内周囲空間。ペリメータゾーンは、省エネルギー法において以下と定義。 ①地階を除く各階の外壁の中心線から水平距離が5m以内の屋内空間 ②屋根直下の階の屋内空間 ③外気に接する床の直上の空間 |
ま | |
モデル建物法 |
旧基準で規定されていた「ポイント法」及び「簡易なポイント法」に替わる、小規模比住宅建築物を対象とした簡易な評価法。建物の外皮及び設備の仕様を選択肢から選択することにより、外皮性能及び一次エネルギー消費量が基準に適合しているかを簡易に判断する仕組み。但し、モデル建物法を使用し計算できるためには条件に該当する必要がある。 モデル建物法の適用範囲 モデル建物法による評価が行えるのは、延床面積が 5000㎡以下の非住宅建築物のみとされている。複合建築物(住宅と非住宅建築物が混在する建物)で、非住宅部分の延床面積が 5000㎡ 以下であれば、非住宅部分についてはモデル建物法が適用できる。なお、空気調和設備において、次の熱源機器をもつシステムについてはモデル建物法では評価が行えない。 ・セントラル方式 ・氷蓄熱パッケージエアコン(ビル用マルチ方式を含む) ・地域冷暖房施設から熱供給を受けている場合 ・上記方式と他の方式の併用 |
モデル建物 | モデル建物法において、建物用途ごとに想定した建物のこと。 |
ら | |
冷房期の平均日射熱取得率(ηA値) |
冷房期の平均日射熱取得率は、従来の日射取得係数(μ値)に変わる指標です。入射する日射量に対する室内に侵入する日射熱の割合を外皮全体で平均した値をいい、具体的には、屋根又は天井、外壁、ドアなどの躯体から侵入する日射量と窓ガラスから侵入する日射熱の合計である総日射熱取得量を外皮面積でわったもの。 単位:[W/㎡k] |
隣接空間 | 小屋裏、天井裏、床裏、共用部、屋内駐車場、メーターボックス、エレベーターシャフト等の外気に通じる空間、ピット等の床裏、昇降機室、共用機械室、倉庫等の外気に通じていない空間、住戸及び空調された共用部等の住戸と同様の熱的環境の空間、又は外気をいう。 |
英 | |
BPI |
Building Permeter Index(Building PAL* Index) BPI=設計 PAL*/基準 PAL* |
BPIm | モデル建物法による設計PAL*と基準PAL*の比。1.0以下であれば基準適合となる。 |
BEI |
Building Energy Index BEI=設計一次エネルギー消費量/基準一次エネルギー消費量 |
BEIm | モデル建物法による設計一次エネルギー消費量と基準一次エネルギー消費量の比。1.0以下であれば基準適合となる。 |
PAL*(パルスター) |
新年間熱負荷係数。各階の屋内周囲空間(ペリメーターゾーン)の年間熱負荷[MJ/年]をペリメーターゾーンの床面積[㎡]の合計でわった数値。 単位:[MJ/㎡年] |
PAL | 建築物の外壁、窓などからの熱損失の防止性能を評価するもの。屋内周囲空間の年間熱負荷を屋内周囲空間の床面積の合計でわった数値。 |
CEC |
建築物に設ける建築設備に係るエネルギーの効率的利用性能を評価するもの。建物の省エネ基準(性能基準)は以下に示す5つの建築設備毎に基準が定められている。
・空気調和設備 [CEC/AC] CEC/AC=年間空調消費エネルギー量/年間仮想空調負荷 ・機械換気設備 [CEC/V] CEC/V =年間換気消費エネルギー量/年間仮想換気消費エネルギー量 ・照明設備 [CEC/L] CEC/L=年間照明消費エネルギー量/年間仮想照明消費エネルギー量 ・給湯設備 [CEC/HW] CEC/HW=年間給湯消費エネルギー量/年間仮想給湯負荷 ・昇降機 [CEC/EV] CEC/EV =年間エレベーター消費エネルギー量/年間仮想エレベーター消費エネルギー量 |