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コラム詳細

住宅で等級4をクリアするための10のポイント【平成25年基準】


平成25年に省エネ法の基準が変わり、等級の評価内容が変わりました。しかし、さらに細かくなった評価の元で、最高水準である等級4をクリアするのは大変ですよね。
そこで、最高水準を獲得するための10のポイントをご紹介します。

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1.断熱は厚みと補強に注意
(1)断熱材は熱伝導率で選ぶ
断熱材は熱伝導率の低いものを選びましょう。熱伝導率が低ければ低いほど、断熱性能が高いことを表します。
なお、現在でも熱抵抗値(R値)は使われていますが、外皮性能の値を計算する際には熱伝導率を用いることが多いです。
(2)鉄筋コンクリートの住宅では断熱補強に注意
鉄筋コンクリートは熱伝導率が高いため、熱橋部から外気の熱や冷気が室内に伝わりやすくなります。そのため、平成25年度基準では、構造熱橋部に断熱性があることが求められています。熱的境界部分については断熱構造とすることが求められるため、屋根、天井、壁、床、開口部の設計の際には、断熱性能の基準を充たすように気をつけましょう。
(3)住宅は断熱材を連続させる
木造住宅を含む全ての建物に関して、断熱補強についての定めはありません。ですが、断熱効果を高めるためには、隙間なく断熱材を使用する方が効果的です。

2.開口部はガラス、サッシ、付属部材で調整する
平成25年基準では、日射遮蔽性能基準と断熱性能基準が仕様ごとに決まっています。特に5,6,7地域で等級4を取りたければ、両方を充たす必要があるのです。そのため、開口部の設計は特に重要になってきます。
(4)開口部は方向に注意して
平成25年基準では、Q値やμ値に代わり、平均日射熱取得率(ηA値)や外皮平均熱貫流率(UA値)が使われています。特に平均日射熱取得率(ηA値)の場合は、夏季の日光をどう遮るのかが重要なポイントになってきます。省エネ基準を充たしたいのであれば、日射熱を減らすために、直射日光が入らないような設計にすることが必要です。
(5)複層ガラスがおすすめ
開口部の日射遮蔽性能基準を充たす方法には2つあります。ひとつはガラス単体で性能値基準に適合する方法、もうひとつは付属部材を組み合わせる方法です。
ここではまず、ガラス単体で適合させる方法を考えましょう。
ガラス単体で計算する場合には、ガラスの選び方が重要になってきます。
まず、よく使用される複層ガラスですが、ただの複層ガラスでは基本的にη値0.49以下という基準を充たしません。そこで、高性能な複層ガラスを使うことになりますが、これには断熱型タイプと遮熱タイプの二種類があります。そして、両者を兼ね備えたのがLow-Eタイプの複層ガラスです。LOW-Eガラスを使うことをオススメしますが、コストを抑える意味でいうとすべてがLOW-Eガラスだと難しい場合は、開口部の大きい場所から大量に熱が出入りしてしまうため、大きい窓だけでもLOW-Eガラスを使用することが重要です。
コストを抑えつつ効果的なガラスの選び方として、東西面の窓に遮熱タイプを使うことが考えられます。冬は光が当たらず、一方で夏は日差を遮りたいからです。夏期は南面よりも東西面に日が当たる時間が長いので、東西面からの日射熱取得率を下げると省エネ計算上は効果があると思います。ただ、実際は、日本の四季を通せば南面から日の光が入る事が多いのは事実なので、建物も南面に居室空間を配置し、リビングとする事が設計上も必要で、基本的には南面の大きな窓にはLOWーEガラスとする事がおすすめです。
(6)付属部材をつけることも考える
日射遮蔽性能基準を充たす方法として、付属部材を組み合わせる方法があると述べました。
用いることのできる付属部材として、ひさし、軒、紙障子、外付けブラインドなどが挙げられます。
中でも、南側開口部には、庇をつけることをおすすめします。東西面には横から日差しが当たるため、その他の付属部材をつけると良いでしょう。庇を付けるのであれば、取り付け高さも影響してきます。サッシからの高さや庇の出が省エネ計算上考慮されるので、省エネ対策としての庇であれば、意匠上、構造上支障がない範囲でなるべく窓に近い位置に庇があると効果的です。(ただ、ちょっとした出の庇くらいなら、庇がなくてもLOW-Eガラスの方がコスト的にも望ましいです。)
平成11年基準と変わった点として、紙障子、カーテンや内側のブラインドは、計算に含まれないので気をつけましょう。
(7)気密性を高めて隙間風を防ぐ
せっかく断熱材で建物を覆っても、部屋の内部に気流が生じると、暖かい空気は逃げ、冷たい空気が入り込んでしまいます。床と壁との取り合い部に気流止めを施工し気密性を高めましょう。
(8)床暖房を外す
省エネ法で最高基準を充たすためには、一次エネルギー消費量も基準値以下にならないといけません。
この一次エネルギー消費量の計算では、2種類以上の暖房設備を使用する場合、もっとも効率の悪い設備のみを使って一次エネルギーを計算しなければならない決まりがあります。そのため、床暖房入っていると、どうしても消費エネルギーが大きく出てしまうのです。また、計算にあたり設備同士のトレードをすることもできません。
そのため、一次エネルギー消費量の基準を充たさない場合には、床暖房を外すことをおすすめします。ただ、実際は、床暖房を付ける前提で売り出しているマンションなどの場合は外したくても外せないのが現実だと思いますし、戸建住宅では床暖房を設置し、快適にすごせることの方が省エネルギー対策よりも重視する傾向にあります。
そのため、床暖房の床下側の熱抵抗値は高い物とし、上面放熱率を上げることをおすすめ致します。(断熱材の熱抵抗に加え、パネルを指示する合板などの熱抵抗も合算した物を床下側の熱抵抗とすることができます)
(9)共同住宅でのウィークポイントは外側の住戸
共同住宅においては、界壁や界床と呼ばれる隣接住戸空間同士を隔てる構造物で囲われた住戸は熱的影響を受けにくい位置関係に存在しますので、省エネルギー対策の観点からいうと有利な場所です。
逆に角部屋や下階が外気もしくは地面、最上階の住戸などは外気に接する部分の面積が大きいので他の住戸と同じ断熱の仕様でも外気平均熱貫流率は高い数値となりやすいです。
ですので、外気に接する部分が多い住戸の断熱材は厚くする事をオススメします。
住戸内部に影響を及ぼさない範囲で、外気平均熱貫流率を低くするテクニックとしましては、天井裏スラブ下の断熱材を厚くしたり、界床スラブ下の断熱材を厚くする事などがあげられます。
(10)熱橋部の中途半端な断熱補強はしない。
鉄筋コンクリート造の住戸などで、断熱材が梁や壁で途切れてしまう場所には断熱材を折り返して断熱補強をすると熱損失が低く抑えられます。
断熱補強に関しては地域ごと、外断熱、内断熱の区分ごとに、断熱補強の範囲や断熱補強の熱抵抗の基準値が設けられております。
この基準値に満たない断熱補強では断熱補強ありとして計算する事ができませんので、基準にあった断熱補強をオススメします。

上記のポイントが住宅で等級4をクリアするための10のポイントになります。今後は、省エネ基準の厳格化が起こり、これまで以上に省エネを重視した建築が求められるようになってきます。今後の設計の際にご注意ください。

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